音楽 はっぴいえんど 帯

44年前の今日、はっぴいえんどの名盤『風街ろまん』がリリース

もはや
愛することさえ難しい
この都市の
風景の中で
素敵な風に変身した
はっぴいえんどの
抒情が
限りなく痛む君の
傷口を貫く

(注意)レコードをお買上げの後はただちにこ の”タスキ”を破って捨てて下さい。 



引用したのは、はっぴいえんどの『風街ろまん』が発表されたとき、レコードの帯の上のほうに、この行分けどおりに書かれていた言葉だ。ぼくの持っている他のアナログ盤やCDにはこの言葉がないが、最近のCDではどうなのだろう。少し気負った言葉と、デビュー・アルバムにくらべて格段にポップな感覚を強めつつあった『風街ろまん』の音楽との距離が、いまとなっては、彼らが駆け抜けた時代の変化の速さを物語っているように思える。 この帯にはもうひとつ遊びがある。引用した言葉の下にメンバーの名前、グループ名、アルバム・タイトル、曲目が並んでいるが、いちばん下に小さな文字で2行、こう書いてある。  (注意)レコードをお買上げの後はただちにこ の”タスキ”を破って捨てて下さい。 「この」が途中で切れるところが不思議だが、もしかしたら、彼らの歌の実験のように、言葉の区切りをわざと変えて書いたのだろうか。と、はっぴいえんどは、そんなことまで考えさせるようなバンドだった。<北中正和のコラムより抜粋>

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